Q. 作業員の不注意で通行人にけがをさせた場合、会社も責任を負いますか?
A. 負うことがあります。事業のために人を使っている会社は、従業員がその仕事の中で第三者に与えた損害を賠償する責任を負います(民法第715条)。ただし、選任や監督に相当の注意をしていた場合などは、この責任を免れることがあります。
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建設業は、仕事中の事故で亡くなる方が多い業種です。厚生労働省の統計では、令和7年(2025年)に労働災害で亡くなった700人のうち、建設業は214人でした。そのうち91人が「墜落・転落」によるものです。
事故の被害は作業員だけにとどまりません。足場からの資材の落下などで、現場の外を歩く通行人にけがをさせてしまうこともあります。このページでは、工事現場で事故が起きたときに会社に何が起きるのか、どのような責任を負うのか、そして事故を防ぐための対策を、公的な資料をもとに整理しました。
| 死亡者数 | 建設業 214人(全産業 700人) |
|---|---|
| 死傷者数 | 建設業 13,437人(休業4日以上) |
| 死亡の主な原因 | 墜落・転落 91人、はさまれ・巻き込まれ 23人、崩壊・倒壊 22人、飛来・落下 8人 |
| 死傷の最多原因 | 墜落・転落 4,343人 |
| 通行人など第三者の事故 | 工事の関係者以外の第三者(公衆)の死傷事故は、「資材の落下」によるものが多いとされています |
出典:厚生労働省「令和7年 労働災害発生状況」(新型コロナウイルス感染症へのり患による災害を除く)、国土交通省「建設工事公衆災害防止対策要綱の解説」
工事現場の事故は、けがをしたのが現場の外の人か、作業員かによって、その後の流れが変わります。
資材や工具の落下・重機との接触など
足場・屋根・開口部からの墜落など
| 民事の責任 | 被害者への損害賠償(民法第709条・第715条)、作業員に対する安全配慮義務(労働契約法第5条) |
|---|---|
| 刑事の責任 | 業務上過失致死傷罪(刑法第211条)、労働安全衛生法違反(会社も罰金の対象) |
| 取引への影響 | 公共工事の指名停止、発注者・元請からの信用の低下 |
高さ2メートル以上で墜落の危険がある場所では、足場を組むなどして作業床を設けます(労働安全衛生規則第518条)。作業床の端や開口部には、囲い・手すり・覆いなどを設けます(第519条)。
2019年2月1日から、安全帯は「墜落制止用器具」に変わり、フルハーネス型の使用が原則になりました(高さ6.75メートル以下では胴ベルト型も使用可)。旧規格の安全帯を使えたのは2022年1月1日までです。
厚生労働省の「足場からの墜落・転落災害防止総合対策推進要綱」は、「手すり先行工法」を積極的に採用し、墜落制止用器具は「二丁掛け」を基本とするよう求めています。
国土交通省の「建設工事公衆災害防止対策要綱」は、足場を鉄網やメッシュシートなどで覆う防護措置を定めています。資材や工具を足場の端に置かないことも基本です。
救護と通報、労働基準監督署への報告、発注者・元請への連絡について、手順と担当者を決め、朝礼や安全教育で共有しておきます。
足場の点検や安全教育を徹底していても、天候の急変や、複数の業者が同時に作業する現場での連絡の行き違いなど、防ぎきれない原因もあります。被害者への賠償や、けがをした作業員への補償に備える方法のひとつが保険です。
Q. 作業員の不注意で通行人にけがをさせた場合、会社も責任を負いますか?
A. 負うことがあります。事業のために人を使っている会社は、従業員がその仕事の中で第三者に与えた損害を賠償する責任を負います(民法第715条)。ただし、選任や監督に相当の注意をしていた場合などは、この責任を免れることがあります。
Q. 作業員がけがをしたら、労働基準監督署への報告は必要ですか?
A. 必要です。労働災害で労働者が死亡したり休業したりしたときは、労働者死傷病報告を所轄の労働基準監督署長に提出します(労働安全衛生規則第97条)。報告をしなかったり、虚偽の報告をしたりすると、刑事責任を問われることがあります。
Q. 公共工事で事故を起こすと、どうなりますか?
A. 発注機関の基準により、一定期間の指名停止となることがあります。国土交通省の措置要領では、安全管理の措置が不適切で公衆に死傷者を生じさせた場合は1か月以上6か月以内、工事関係者を死傷させた場合は2週間以上4か月以内の指名停止の対象とされています。
このページの内容は2026年9月時点の情報をもとに、株式会社保険企画が作成しています。
元請・下請の別、工事の種類や現場の数、従業員数(下請負人を含む)、現在ご加入の保険が分かるとご案内がスムーズです。内容が固まっていない場合も、お気軽にご相談ください。